2011年11月6日日曜日

DJをしますぜ×2

皆さんこんにちは。ベンフィーバーもひと段落しノンビリのほほんしていたところに、楽しそうなイベントに2つもお誘いいただきまして、わたくし小熊俊哉(リスペクト沖野修也)がへっぽこDJとしてお手伝いさせていただきます。ヘイヘイ。




なんだかおっかないフライヤーですが、11/17(木)はオーストラリア出身の2バンドThe Rational AcademyとHappy New Yearを中心に、豪華対バン&DJ盛りだくさんなイベント@渋谷WOMBにお邪魔します。前者は「まるでMy Bloody Valentineのがれきの山を泳ぎまわるPavementのように暖かくてロウファイ」、後者は「エレクトロニクスを用いたドリーミーかつミステリアスなポップ・ソング」(もろコピペですいません)! 期待大ですね。

さらにマヘル・シャラル・ハシュ・バズ、にせんねんもんだいが主催する美人レコードのメンバーによるTHEY(彼等)、broken little sister、Bertoiaとしての活動でも著名な根岸たくみ氏率いるswimmingpoo1…などなど、日本のインディー/アンダーグラウンドなシーンを賑わすアクトに、(自分以外は)実績たっぷりな凄腕DJ陣! チケ代もADV 2,000円 / DOOR 2,500円とフラっと遊びにいけるお値段だ! すごいじゃん!! 先述の豪出身2バンドは11/22(火)にも渋谷UNDER DEER LOUNGEで出演予定とのことで、こちらも含めてぜひぜひぜひぜひ!

http://electric-fuzz-efz.blogspot.com/ (出演者の顔写真まで載ってるよ)





つづけて11/26(土)には高円寺のamp cafeにてラウンジイベントに参加します。以下スーパーコピペ。

1/9のYoung Pop Dream 開催に向け、amp cafeにて、プレイベントを開催!!
若手DJ陣のフレッシュな選曲と、アートスクールなどのクリエイター達の、賑やかな☆展示が溢れる、おもちゃ箱?のような空間へ!!まだ公開前の映画が観れたり、気鋭のshop、more recordsによるセレクトミュージックも体験。美味しいparty foodも充実、普段ライブハウスやイベントに来ない人も気軽に来てみて!!YoungでPopでDreaming、きっと新しい出会いや発見があるはず・・・!?学生の人には嬉しい学割制度も!!

…とのことです! 勝手なイメージですが、なんだか美男美女が勢ぞろいしそうなイベントですね。 美は美を呼ぶわけできっと客層もYoungでPopでDreaming。新しい出会いに目がない美少女ハンター・小熊も胸キュンソングを連続スピン。オシャレ音楽の力で10tトラックで轢かれたあとのように醜い顔面(タイヤ顔)を全力でごまかします! 魔法を信じるかい? 

ちなみに(amp cafeと隣接の)高円寺Highで催されるShoegazer、Drampop、Post Rockの定番イベント、Total Feedbackとのコラボ開催で、当日はどちらにも入場可能とのこと! ライブも楽しみましょうー。


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以下、両イベントの詳細コピペしておきま。


Australian Noise Pop Show 2011
[Rational Academy & HAPPY NEW YEAR Japan Tour 2011]

2011.11.17(Thu) @渋谷WOMB (http://p.tl/_geE)
http://www.womb.co.jp/#!/live/2011/11/17/australian-noise-pop-show-2011.html
OPEN 18:00~
ADV 2,000円 / DOOR 2,500円(D別)


LIVE>
Rational Academy
HAPPY NEW YEAR
Maher Shalal Hash Baz(マヘル・シャラル・ハシュ・バズ)
THEY(彼等) 【Gt/Vo,千早(ふくろ) / Dr,姫野(にせんねんもんだい) / Synth,ヨッシー(Husband Is Funny,Isn’t It) / Ba,りんちゃん(OL)】
broken little sister
pagtas(坂田律子 + タバタミツル)
cuushe
swimmingpoo1
ANISAKIS


Music Selectors>
小熊俊哉(COOKIE SCENE)
chicchi(bluestars night!)
hitch(EGURI)
ツノダ
@k(my bloody valentine night)
hahasdisko


VJ>
寺田(HUH)

TICKET>
e+ http://p.tl/FzXQ
pe@p-ent.com


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Young Pop Dream Lounge at ampcafe

11/26 sat. 17:30-22:00
at  amp cafe(高円寺HIGH隣)
http://www.koenji-high.com/ampcafe/

door 2000/ day2500 (+1d)
★学割制度あり
door1000(+1d)

【DJ’s 】
■moyachi
■molenu
■ume rock(beepluck)
■aoki (bullet's マイブラナイト)

【girl's DJ】
■emiko:)
■きよし

【Guest DJ】
■小熊俊哉(cookie scine)

【music selector & DJ 】
■more.records 

【Live】
■hiromi sunaga

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【Live paint】
■kao(astral camp)

【art】
■molenu
■220sec.
■ayako

【media art】
■マルヤマミホ

【clip】
■kyoko

【New movie-recomend】
■emiko:)

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【Total "Food"back】
■The mariage blues
(oh!kawa (fun×3)&mick(make belive))
■スクリーマ”デリカ”新子
(molenu)

【Total Free market】

and more・・・

〜同時開催〜
高円寺HIGHにも入場できます
「Total Feedback」
11/26 sat. 18:00-22:00
at 高円寺HIGH 

【LIVE】
■ Al Van She's Coming
■ texas pandaa
■dario
■FU-MO
■civic

2011年10月31日月曜日

工藤鴎芽 『現代化が発明する窓その頃外に』(2011)



工藤鴎芽という京都の才女の魅力をもしも誰かに紹介するなら…さてさて、どこから触れるべきなのだろう。ただ者ならぬ雰囲気を思わす艶やかな出で立ちもさることながら、彼女はけっこうな多作家で、本人いわくの「<Low-Fi~オルタナティヴ> DTMer」として今の名義で単身活動をはじめた2010年7月から今日までに、フルアルバムを一作、EPを4作、シングルを4作、そのすべてを自主リリースしており、1年3カ月のあいだに50近くの曲を世に出していることになる。インターネット時代の自作自演家のなかでも、これはなかなかのハイペースといえるだろう。

「出してから気付いたんです、多作だって。ライブが少ないのでその分作る時間があるから、つい作っちゃう? みたいな感じで」(以下、発言部分は工藤本人によるもの)

軸となる音楽性に触れてみよう。90年代オルタナティヴ・ロックの影響を思わせるザラついたノイズ・ギター、不器用なところが逆にかがやく(平たくいえばヘタウマな)打ち込みの妙、いなたくも瞬間的にハっとさせられる瞬間の隠れたソングライティング。諦念と希望の狭間で揺れる彼女の声は恥ずかしがり屋が窓のすきまからつぶやいているようだ。妄想の蠢く内向的なガーリー・ポップの常でシャンソンやフレンチポップなどからの影響も色濃いが、00年代以降のインディー・ポップも通過した音の触感は通気性にすぐれた小気味よさで、楽曲制作にゲームボーイを駆使するような遊び心も微笑ましい(それについて訊くと、ディグダグやスパルタンXといったファミコン黄金時代のBGMのすばらしさを力説された)。

彼女の音源は(iTunesなどの経由で)海外からの注文が多いそうだが、それも頷ける新鮮なひきこもりポップだ。あるいは、そのチープなサウンド・プロダクションや電子音との戯れ方を指して“日本におけるチルウェイヴとの共振!”とか強引にこじつけられなくもないが(実際、そう言われることもあるそうで)、それについて尋ねたら「Psappってチルウェイヴですか?」と逆に質問されてしまった。また、学生時代にジュディマリなどをレパートリーにコピーバンドをしていたり、スピッツに強く心酔していたりという、ある世代にとっては実にベタなエピソードもおもしろい。

「(※スピッツについて)聴くうちになんか引きずり込まれるような感じというか、ふと気付かされる世界があって不思議! とか思って。詩も見てみると初期とかよく考えても解らんような感じに魅力を感じたり、音もすごい個性的」

「他の音楽をdisる気はさらさらないのですが、商業的に夢を売ってる感じが何か見え透いてて厭な感じするので。それで逃避出来て救われる人もいるのは事実ですが…私には出来ないことです」




かたや、今年7月にリリースされたEP『Mondo』では既存のローファイ色はほぼ消え失せ、ボサノヴァ~映画音楽~モンド/ラウンジ・ミュージックの流れを強く汲んだインストゥルメンタルの楽曲を展開。バックグラウンドの幅広さと作曲能力の飛躍的向上をアピールする異色作となっている。今回取り上げる 『現代化が発明する窓その頃外に』は10月10日にリリースされた(余談だが、彼女はゾロ目の日に作品をリリースすることに強いこだわりがある)現時点での最新EPで、さらなる成長を遂げた姿をみせる。

「コンセプトは『現在 外に』です。「(デビューから1年が経って)これまでのことを振り返ったときに内に籠ってた感じの作品が多くて、それでも独りでやるって決めた時から変わりたいという願望は相変わらずで、なんとも消化しきれない部分も多かったので、良い機会だし変わりたいと思うなら変わったろうやん、と。音に関しても退化しないようにと、新しい自分を探して頑張りました。唄い方も変えました」

全6曲は「Modernize」「発明する」「窓」「そのころ」「Output」「に」…と、EPのタイトルをそのまま分離解体したパーツのごとく名づけられている。冒頭の「Modernize」では、くたびれたギターの緩いストロークと背中を押して急かすようなビートの生むグルーヴに乗せて、ミニマルな言葉の断片が錯乱したまま乱れ飛ぶ。

滲んだ 揺れた  困つた 壊れた
誂えた(馨つて) 飾つた(選つて) 失つた(憶えて) 超えた(分解)

(「Modernize」)

「タイトル通り『現代化』をテーマに唄ってますが、詩の始めが着地点てわけではなくて循環してるんです。時代って日々現代化してくんだけど、結局懐古することもあるしカオスだって思って。街の景色も変わってくとこは凄いスピードだし。前に電車の窓から安いピンクのチープなラブホをみかけたんですが、そのすぐ横に墓地があったんですよ。駐車場じゃなくて。もう駄目だって思いましたね。話がずいぶん逸れましたけど(笑)、意図的に乱雑してる様をってことで。でも、ちゃんと繋がってるように取れる箇所もあると思います」

一転、「発明する」では神経症的で不穏な響きを携えたピアノとビートのループのうえで《愛の言葉も悲しい嘘も/誰もがびっくり同じ仕組み》と諦観に満ち満ちた歌が悪ふざけのようにおどる。そこからつづく「窓」で曲調はグっとファストになり、星屑のようにきらめく電子音と疾走感あふれるギターが、<窓>から覗くことしかできない少女の妄想こじらせ悲恋のいとしさと切なさを絶叫とともにパワーポップに昇華させている。

内緒のままでいいのさ/何となく覗いてたんだ
悲しく切ない恋のうた/はぐれたコラージュ/涙のワケは判ってるよ

(「窓」)

「(※恋愛について)うーん…。薬みたいなもんじゃないでしょうか。このまま明日キュン死ぬかもしれないって思ったり、切れたら切れたで、なんでこんなに好きやったんアホくさって恐いくらい冷静になったり。でも、人の事を死ぬ程考えるなんて素晴らしいと思います。魔法って比喩よく聞きますが、それも解るなー…と」

あの世のマーチングバンドを思わせる、鳴れども踊れずなドラムが印象的な「そのころ」では、《退屈だ とても退屈だ/昨日もそう 明日もそうだろう》と怠惰の連鎖から抜け出せずもがき苦しむ光景が歌われる。テープに吹き込んだかのような荒い録音の「Output」は黄昏たララバイのような曲調で《たった一つだけ/夜空で私の為にだけ輝いて/今夜、知らない間に消えないで》と淡い願望を率直に訴える。思いどおりにならない周囲と自分との葛藤や格闘にもがきながら、しゃかりきに一歩踏み出そうとする強い意志が滲み出ているのが本作の特徴で、先述の「そのころ」でもルーザーな描写を徹底的に書き連ねたあと、一番最後に飛びだす《目を醒ませ》の一言に強固な意志をかんじる。


「『そのころ』はパラレルじゃないですが、同じ時間軸に個々の生活があってそれぞれ考えて生きてるけど、私はどうやって生きようかとかどうしようもない妄想までして…いやいやしっかりしようぜっていう。」


EPのタイトルになぞらえて、「現代についてどう思いますか?」 と漠然とした質問を投げてみたら、「まだ満足するなよっていう感じですね」と力強い言葉がかえってきた。既存音源の逆回転ループによって混沌を表現した「に」と同様に、彼女の頭のなかも依然こんがらがっているなかで、這いつくばってでも表現しつづけてやろうという決意が頼もしい。<Output>は本作のテーマのひとつだが、作品制作やその告知が容易になった現代の環境下で、このEPは安易な理想論にもたれかからず、誠実にストイックに自分と向き合った末に産み落とされた歌曲集といえるだろう。ドリーミーだけど、浮世にまでは飛んで行かない生真面目さもいい。

筆者にとって彼女の最大の魅力はメロディメイカーの才で、それについては本作と対になる<Input>をテーマにした4作目のシングル『ねぇねぇ』に収録されたアンニュイな楽曲や、アルバム『Mind Party!』収録曲「花のにおい」のこぼれ落ちそうな情感にいっそう顕著だ。今後も宅録活動にまい進しつづける予定とのことだが、個人的には外部からプロデューサー的な人物を招いてもおもしろそうと勝手に思っていたりする。また、ライブ・パフォーマンスもときおり披露しており、こちらはまだまだ改善の余地が大ありだけども(ベッドルーム・ポップ系のアーティストにとってライブはいろいろと難しいですよね…)、シアトリカルな雰囲気も見せつつ独特のムードを演出している。

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・『現代化が発明する窓その頃外に』ご購入その他、詳細はこちらから。

・OFFICIAL
・iTunes
・myspace

2011年10月1日土曜日

マックス・ツンドラがやって来る!ヤァヤァヤァ! Coming Up!!!!!!!!!!!!!!!


めっちゃ楽しいよ!!!!! 助けてくださいてくださいくださいくださいください!!! ありがとう!
奇跡の前回来日からわずか1年9カ月、ナード界の貴公子、ベン・ジェイコブスがまたやってくるよぉーーーー!



容姿を裏切る美声と華麗なる鍵盤さばき。ドタバタ動き回り、全身の脂肪を震わせる怪しくも愛くるしいアクション。ヘアスタイル&キテレツ日本語MCでオモシロ外人としてのアピールも見せつつ、ラップトップ・ミュージシャンとしては驚異的な目にも耳にもデリシャスなパフォーマンス。これは見逃せない! ナチュラルに恋せずにはいられない!

前回のツアーでは三公演くらい追っかけしたんですが(当時の拙ライプ備忘録はこちら)、今回は招聘元であるOut One Disc岸野さまに声をかけていただき、わたくし小熊もまさかのお手伝いをさせていただくことになりました。現世でもっとも敬愛しているミュージシャンのひとりだし、彼の手によるスープ缶は今でも宝物。本当に光栄です。髪…じゃなくて、足を引っ張らないようにがんばります。

10/9(日)@幡ヶ谷FORESTLIMITでは転換DJを担当します。リミックス/カバーも多く手掛け、みずからのラジオ番組ももつ才人・ベンにゆかりのある曲、お気に入りの曲、いわゆるベン・ミュージックの数々をかける予定です。

10/10(月・祝)@池尻大橋2.5Dでは公開インタヴューを担当。会場が2.5Dなのでユーストリーム中継もモチロンあり! 連休の終わりは現地やご自宅でベンを囲み、微笑みましょう。


↑みんなで間奏部分ダンスコンテストしようぜ!!


↑そしてこれがベンのD.A.N.C.E.!!!!!!!!!!!!


8日の金沢公演は前回ツアー時に豪雪に見舞われ演奏はたせず…に終わった件のリベンジ、さらに9日深夜はリキッドルームにてあの菊地成孔率いるDCPRGのフロントアクトと、他の日もドラマチック要素がもりだくさん。共演者も豪華。以下に詳細をコピペしておきます。脱毛必至の三日間、ご予約はお早めに。

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■MAX TUNDRA ASIA TOUR 2011 supported by Out One Disc

10/8(土) @金沢 KAPO

OPEN/START 15:00
料金:投げ銭制

共演:ASUNA
DJ:岸野雄一


10/9(日) @幡ヶ谷 FORESTLIMIT

OPEN/START 19:00
料金:2500円(ドリンク代別)

共演:ホッピー神山 / unbeltipo solo(今堀恒雄)
DJ:小熊俊哉(Cookie Scene) / ヴァイオレットフィズ(アート倉持/黒パイプスターダスト)


10/9(日) @恵比須 LIQUIDROOM

OPEN/START 23:59
前売 3500円 当日 4000円(共に税込/ドリンク代別)

共演:DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN
DJ:大谷能生 / CRYSTAL


10/10(月・祝) @池尻大橋 2.5D
「MAX TUNDRA ASIA TOUR 2011 TOKYO FINAL!!」

OPEN 18:30 START 19:00
料金:2500円(ドリンク代別)

共演:Riow Arai
DJ:DE DE MOUSE 他

インタビューコーナー/聞き手:小熊俊哉(Cookie Scene)

2011年9月12日月曜日

TAICOCCLUB camps’11に行ってきたよ!


新潟のニュー・グリーンピア津南で催されるようになった秋のタイコ。昨年参加したらイベント自体にすっかり惚れ込んでしまい、今年も行ってきましたよ!!!

なにがいいって、ステージが二つしかなく移動も楽チン(距離もフジロックのグリーン-ホワイト間の半分もないはず)、芝生だらけなので雨が降ってもドロんこにならない、来客数がそこまで多くないのでノビノビ踊れる(渋滞なんてどこでもありえない、ビールもすぐ飲める!)、ステージに向けて写真を撮っても注意されない…など、シンドい思いをしてまでライブを観たくない無精者にこそありがたい夢環境。今年も実に快適で、もうメンツに関係なく年に一度必ず参加したい! という思いをますます強めたかぎり。

で、ラインナップの話をすればこちらも昨年につづき非常に挑戦的。主催者である安澤太郎さんのインタヴューによると、当初はももクロを呼ぶ気まんまんだったり…というのをヌキにしても、"音楽好きによる音楽好きのためのフェス”を作ろうとしている気概がむんむん伝わってくる。世間の認知度がメガトン級なアーティストはいない(興業としての押しが弱い)が、そのぶん昨年に引き続きちょっと通好みで、新たな発見のたくさんありそうな並びだったといえるはず。

◆以下は自分の見た出演者(当日のタイムテーブルはこちら)
Luminous Orange→mudy on the 昨晩(最初3曲ぐらい)→Kez YM(プラプラしながら)→Kate Wax→GOTH-TRAD(食事休憩挟みつつ)→Bibio(途中寝落ち)→モーモールルギャバン→Nathan Fake→OL Killer→Kyte(最初5曲くらい)→ATAK(最後の方だけ)→James Holden→Helios→Her Space Holiday


青空バックなジェームス・ホールデン。

今回の個人的なお目当てのひとつはトリッピーな質感が持ち味のテクノレーベル、Border Community一派。ダークでゴス/インダストリアル風味な(The Knifeにもちょっと近い?)Kate Waxはかなりツボで、序盤の出演というのもありハイになって楽しめた。最近ではレディオヘッドのリミックスで有名なNathan Fakeはかなりストイックなプレイで本人はノリノリだったが周囲はさして踊らず。作風が微妙に近いウルリッヒ・シュナウスの先日のライブも少し思い出したり。最高です。レーベル主催者James Holdenは他人様の曲も挟みつつの圧巻3時間プレイ。リアルタイムに夜明けを迎える景色をバックに、大らかに音を刻み続けるさまにウットリしてました。あと鼻がおおきかった。

もうひとつ期待大!だったBibioには正直がっくし。既存曲のリアレンジを繋げるでもなく、割とそのままに近い形でかけていた印象。たしかにボーズ・オブ・カナダに通ずる気持ちよさはあったが、アゲるでもチルるでもなく。新作におけるハードロッキンで場違いなギター(シン・リジィへのオマージュ)に顕著な冒険心をライブでもお見せよ! と嘆きつつ眠りにおちてしまった…。でも、ネットでの評判はおおむね良好だし、ライブ苦手だとしたら本人への好感度はますますあがります。

陰部打撲で有名なモーモールルギャバンはドラマーがパンツ一丁だったりキーボードの女の子が銅鑼を叩いたりイロモノ感が満載だが、ディスコパンク(どうして日本で今こんなに流行ってるの?)全開ななかでギター不在なのが好印象。パンツを脱いで客席に投げたり、やたら汗かいてたりいちいちトゥーマッチなのも新鮮で、この日いちばん盛り上がっていたのでは? パクりや引用が減ってメロディで聴かせる曲が増えれば大ファンになりそう(そういう意味でラストの「サイケな恋人」はよかった。《悲しくないけど また会いましょう さようなら》っていいフレーズだなぁ…)。

岡村ちゃん参加の覆面DJユニット、OL Killerについてはココにすばらしいまとめが。かなり今様でバキバキなエレクトロ全開で会場がagehaだったらパーティーピーポー憤死だろうが、岡村ちゃん仕事としてこれをどう受け止めるべきか皆さん困ってた印象。しかしプリンス「Kiss」がかかって岡村ちゃんがノリノリで踊る光景は門外漢な俺もウルっときたよ。月を背にして厳かな演奏を鳴り響かせるKyteは、サマソニ出演時に引き続き自分の趣味からもっとも遠い音楽。背の高いイケメンだった。


きれいな朝焼け(iPhone調子悪くて正直あんまり写真撮らなかった)

朝方のHelios→ハースペのうつくしすぎる並びは極上すぎて言葉もでません。その柔和で繊細なヘブン音楽を奏でるにもっともふさわしい、勤勉という文字を人間化したようなHeliosことKeith Kenniffさん(メガネっ子)のルックスにも萌え。打ち込みやサンプラーを駆使しながらエレガントで人懐っこいポップを淡々と奏でるマーク・ビアンキさん(タトゥーメガネっ子)は11月の来日ツアーにも期待大。ハンパなく曲がいいです(&レコーズ畠山さんがセトリもアップしているよ①②)

2011年8月10日水曜日

White Shoes & The Couples Company - Album Vakansi(2011)



夏だ!サマー!  オシャレかまして思いを馳せて、飛行機に乗り出発ゴー! 書を捨てて家も捨て旅に出よう! 財布もスラれてメソメソ泣こう! 海に行くつもりじゃなかった。もしもあの世に行けたら……というわけで、インドネシアの洒落た6人組、ホワイト・シューズ・アンド・ザ・カップルズ・カンパニーの5年ぶりとなる新作『Album Vakansi』のライナーノーツをわたくし小熊が書かせていただきました。(リリース元の)プロダクション・デシネさま、いつもありがとうございます。 デシネの作品にハズレなし(マジで)!





レトロチックでいなたいアジアン・ルックスから織り成される洗練された音のヴァカンス、風のミラクル、宇宙のファンタジー、マジカル・ミステリー・ツアーfromインドネシア! 渋谷系の精神は遠くジャカルタで花開いたのであった…! ギタポもディスコもジャズもボッサも映画音楽も民族歌謡も、みーんなミックスされたハイセンス・チューンの連続に圧倒されてみてください。腰を揺らしながらしんみり泣くっきゃない。日本盤には、かのジミヘンの名曲「Crosstown Traffic」の驚愕カバーまでボートラとして収録だ!!!!!!

おどろきの完成度に唸らされ、ライナーを書き上げたあともすっかり愛聴盤のひとつになってしまいましたが、いろいろ調べて驚かされたのが本作から広がるジャカルタ・シーンの魅力。すぐれた作品は歴史を紐解くにもすばらしい指針となるわけで、かの地の熱狂は自分自身もまだうっすらとしか認識できてませんが、紹介しがいがありそうなので、暇を見つけてそういったちょくちょく記事も書いていくつもりですー。



↑アルバムのトレイラー



↑楽しそうなアートワーク作成の図。BGMで流れているのは「Hacienda」。ホット!



↑個人的にアルバム一のお気に入り、「Selangkah Ke Seberang」。
ちょっと音質悪いライブ動画ですが、超ファンキー!



↑リハーサル・セッション兼MV。「Vakansi」はしっぽり聴かせる心地よい一曲。
オジサマっぽい人は巨匠ジャズ・ギタリスト。
ベテランへのリスペクトっぷりも本作の魅力のひとつ。
コチラでは同曲のライブの模様も。どうです、この艶やかさ!

2011年7月16日土曜日

Dave Stewart & Barbara Gaskin-Broken Records - The Singles(1987)


前回の記事で「Motown-by-way-of-MIDI」なんて表現が出てきたが、そういえば最近このレコードをよく聴いている。これは1987年に日本のMIDIレコードによって編纂された国内企画盤であり(今もバックカタログの記載が。偉い!)、2010年にはアルカンジェロからボートラ付で紙ジャケ化もされている人気作。80年代の流行を反映させた端正なシンセ・ポップが収録されているが、そこにはモータウンをはじめ、60年代ポップスへの愛が花開いているのであった…! とか、強引にこじつけてしまったようだけど80'sリヴァイヴァル全盛のいま聴き返すと、あらまあ。新鮮な響きがするではないですか。ドンピシャ。


デイヴ・スチュワートといえば、70年代にはイギリス、カンタベリー・ロックの旗手として名を馳せた名キーボーディスト。エッグ~カーン~ハットフィールド&ザ・ノース~ギルガメッシュ~ブラッフォードと錚々たるバンドを渡り歩き、名プレイの数々を残してきた。バーバラ・ガスキンはスパイロジャイラというフォーク・バンドのヴォーカルで、ハットフィールド&ザ・ノースを支える女性コーラス隊ノーランズの一員でもあった。…かなり大雑把な説明だが、複雑極まりないカンタベリー界隈のファミリー・ツリーなんていちいち書き連ねていたら日が暮れる。ここでは"プログレやってたすごい人たち"ということにでもしておこう。

ジャズを中心にクロスオーヴァーで入り組んだ、まさにカンタベリー・ロック丸出しな音楽性を志向しつづけてきたデイヴだが、80年代に入るとプログレは斜陽の時代に。かのキング・クリムゾンも1981年にはリーグ・オブ・ジェントルメン(元XTCのバリー・アンドリューズなどポストパンク人脈が在籍、今聴いてもかっこいいな!)を経て再結成。永遠の賛否両論作『Dicipline』も同年リリースされた。
で、そのクリムゾンにドラムのビル・ブラッフォードが参加したため、先述の(バンドのほうの)ブラッフォードも解散。デイヴさんは一瞬、R.E.M.(Rapid Eye Movement)なるバンド(!)を結成するも長続きせず(検索したらすぐにこんなの出てきましたが自己責任で。XTCの曲とかやってたのかな?)。そしてこちらも同じく81年にソロ活動を開始。クリムゾンと同様に、ニューウェーヴ・テイストをふんだんに盛り込んだ内容へと大転換していったのだった。



ソロ・デビュー曲「What Becomes of the Broken Hearted」はジミー・ラフィンによるモータウン名曲のカヴァー。歌うは(つい先日、来日公演を終えたばかりな)ゾンビーズのコリン・ブランストーン。この組み合わせもいいじゃない!
(*この曲は、現在だと日本企画盤第2弾にあたるこのアルバムのボートラとして入手可能。ややこしいですな)

そして次作からはバーバラをパートナーに据え、淡い郷愁といい意味のベタさ、当時の先端サウンドをブレンドしたヒット路線を歩んでいくのである。A面にカヴァー、B面にデイヴ作曲の自作曲という体制でシングルを連発していく。



「It's My Party」 トップ・オブ・ザ・ポップス(というイギリスの音楽番組)からの時代を感じさせる動画。原曲は女性オールディーズ歌手、レスリー・ゴーアの63年作…んもう、ストライク! イントロのインチキくさいエフェクト~清涼感あふれるシンセ、透き通った歌声…。動画をご覧のとおりで英チャート一位にも輝いたが、2011年に発表しても結構イケると思う!(関係ないけど、レスリー・ゴーアといえばブロウ・モンキーズによるこのカヴァーもいい)



「I'm in a Different World」 こちらの原曲はフォー・トップス。ここまで3曲をカヴァーと原曲で聴き比べればよくわかるように、独特な浮遊感とともにかなり湿っぽく感傷的に響くよう、かなり大胆に手が加えられており、この辺はさすがプログレ上がりのデイヴさん。

それで、「It's My Party」も「I'm in a Different World」も、歌詞が秀逸なのである。

"誕生日パーティーなのに大好きなジョニーはジュディの手を引いてどこかへ行っちゃった。もういい! 大好きなレコードをかけて、ひとりで夜通し踊ってやるんだから! 悲しくなんてないもん…あれ、目から汗が…(号泣)"というのが前者の邦題「涙のバースデイ・パーティー」(クインシー・ジョーンズが手掛けた最初のヒット曲であり、最近ではエイミー・ワインハウスもこの曲をカヴァー、その精神はロビンの2010年名曲「Dancing on My Own」へと引き継がれている)。

かたや「I'm in a Different World」は出だしからして"この浮き沈みの世の中で、僕の夢は全て駄目になる/何をやっても物事が上手く行かない"である。負け犬同様の人生を歩んできたけど、君の愛のおかげでいま…僕はとても甘美で誠実な、これまでとは違う世界にいるんだ…! って、どっちもダメダメすぎるだろ!


スチュワート/ガスキンの魅力は、これらの甘酸っぱくいなたい古のポップスを、まさしく"違う世界"と表現すべき、美しく凝った電子サウンドと抑揚に乏しいフィメール・ヴォイスで武装したことにあるだろう。真新しい手法というわけではないが、彼らの場合はところどころ滲み出る教養やプログレ臭のせいかミステリアスで浮世離れな感覚をもたらし、その味わいは2011年のシンセ・ミュージックと並べてもふしぎと遜色や違和感はない。それはさておき、中村とうよう氏は当時のミューマガ・クロスレヴューでスチュワート/ガスキンを「イヤな音楽だなぁ」と評しているけど(ちなみに10点満点で1点)、もしも氏がチルウェイヴ勢の楽曲を聴いたらどんな顔するのだろう。


アルバムについての話をぜんぜんしてなかった。この企画盤も当時のシングル同様にカヴァーとオリジナルをA/B面に並べた構成。デイヴの自作曲もいかにも英国チックな社会風刺ユーモアが冴えていて良い。
また、一連のオールディーズ・ソングに交じって、なぜかエレポップ界のマッド・サイエンティストことトーマス・ドルビーのデビュー・シングルB面曲「Leipzig」もカヴァーされているが、元々のシングルをプロデュースを手掛けたのはかのアンディ・パートリッジ。デイヴ自身も当時XTCに相当入れ込んでいたのか、先述の企画盤第2弾には彼らの「Roads Girdle The Globe」のカヴァーも収録されている。 


*詳しいリリース遍歴やデータについてはこちらのサイトが詳しいです。リスペクト!

2011年7月13日水曜日

Memory Tapes – Player Piano(2011)



日本でもやたら盛り上がっているウォッシュト・アウトに隠れて、こちらもチルウェイヴというジャンルを代表する存在であるメモリー・テープス(Memory Tapes)の新作もほぼ同タイミングでリリースされた。
メモリー・テープスはDayve Hawkなる人物のソロ・プロジェクトであるが、彼は他にもいくつかの名義を使い分けており、ややこしい。過去にピッチフォークのインタヴューで一応、その辺の区別について自身の口から説明されている。

The first name I had was Weird Tapes, which I got from this Hawkwind bootleg series(!). Memory Cassette was supposed to be a feminine alter-ego to Weird Tapes-- that name came from old computers and synthesizers that had cassette memory. The full-length will come out as Memory Tapes, which is obviously a combination between the two.
歌声を差し引けば彼にとっての"feminine alter-ego"というのは一種のニュアンスの問題なのだろうが、リンクを貼った二曲を聴き比べればその違いは容易に把握できる。そして、同じ人間がひとつの作品集を出すうえで、背反するペルソナを強引にくっつける…という発想も理にかなっている(カセットだのテープだのといったタームが、アメリカを中心に見直されているアナログ・ムーヴメントの気分をストレートに掬い取っていることは今さら強調するまでもないだろう)。




メモリー・テープス名義での最初のアルバムとなる『Seek Magic』(2009)は百花絢爛(玉石混合)となるブレイク前後のチルウェイヴ・シーンにおけるひとつの極致として、世界的に高い評価を浴びた。インディー・ギターポップとバレアリック・ディスコの程よい配合と、Dayve独自の隠遁感覚のブレンドによる、ジャングリーなリズムと冷ややかな熱の籠もったシンセの音色がもたらす高揚感。キラーチューン「Bicycle」に顕著だが、それはまぎれもないダンス・レコードだった。タフ・アライアンスが設立したレーベル<Sincery Yours>からのリリースというのも印象的で、まさしく彼らやエール・フランスの延長線上にあるべきクールな作品である。

その後いくつかのリミックス仕事に(本人のブログで丁寧に整理されている)、トロ・イ・モワやクラウド・ナッシングらを擁する<Carpark>に移籍しての本作となるわけだが、さいしょに聴いたとき思わず手を叩いて笑ってしまった。頭の悪い音楽ジャーナリズムにおける最頻出クリシェのひとつ"おもちゃ箱をひっくり返したような"をこれでもかと体現する、ポップで衒いもなさすぎるシンセ音に一発ノックアウト(実際、アルバムの冒頭と末尾の曲名は「musicbox」=オルゴール!)。こうきたか!




ほわんほわん鳴る幻想的な音響、曲終盤での潔いギターソロ、そしてシンガーとして思い切り出ずっぱりな(必死になって背景に溶け込もうとするチルウェイヴ・マナーの対極に位置する)Dayveの自己主張っぷり! 二曲目の「Wait In The Dark」からして珠玉の内容である。以降につづくのも"クール"なんて言葉とは真逆の、呆れるほどロマンチックで果敢なポップ・ソングだ。孤独や悪夢を題材にしながらも、微笑ましいまでにチャーミング。

明らかにオールド・マナー回帰した作曲法について、あるレヴューでは「Motown-by-way-of-MIDI」なんて表現がされていたが、このあたりの変化は本人が制作過程で聴いていたという音楽を探るとナルホドとなる。
本人制作のアウトトラックとお気に入り曲をまとめたミックステープは、チルウェイヴァーたち全体の大インスピレーション源とも受け止められる。整理しよう。

01 Memory Tapes- “Fell Thru Ice 2″
02 The Cookies- “I Never Dreamed”
03 Celestial Choir- “Stand On The Word”
04 Lindisfarne- “Lady Eleanor”
05 Gandalf – “Me About You”
06 Amnesty – “We Have Love”
07 Anna – “Systems Breaking Down”
08 Memory Tapes – “Worries”
09 David Bowie – “Win”
10 Funkadelic – “March To The Witch’s Castle”
11 Black Keys – “Too Afraid To Love You (Memory Tapes Version)”
12 Memory Tapes – “Fell Thru Ice”
13 Memory Tapes – (music from Scott Eastwood art show)
14 Memory Tapes – “No. 79″

60'sガールズ・ポップにサイケ、古の英国フォークからファンクにガラージ、デヴィッド・ボウイ(ウォーペイントによる「Ashes To Ashes」白眉カヴァーもある意味でチル~的だったが、2011年のいま重要なのはベルリン三部作より『Young Americans』なのだなーとこの曲を再聴して実感)などジャンルはそれぞれだが、曲名を眺めただけでも逃避的で、通して聴くと幻想的かつダルい。まさに、リンディスファーンによる4曲目が収録された1970年作のアルバムのタイトル『Nicely Out Of Tune(素敵に調子外れ)』とでもいうべきか。

それで『Player Piano』に話を戻すと、その崩れ落ちんばかりに脆い人間的な感情を、精微な機械に再現させたかのようなところにサウンドの妙がある。音としては彼がかつて在籍し、解散してしまったアートバンドHail Socialの音楽性に一番近く、それらを強引に独力で構築し直しているかのようで、箱庭感もそこから生じているのだろう。生演奏も多くフィーチャーされているが、あまりにツルツルにトリートメントさせられた音響が有機性をスポイルしきっている。ピッチフォークのレヴュアーは"shopping mall karaoke booths"だの"unfinished, demo-level"だのとこき下ろしているが、その平坦な2Dサラウンドには香ばしい情緒が転がっている。なによりメロディがとろけんばかりに甘美だ。



↑まさしく「人間解体」なPV!!!!